伊勢崎オートの昨年度決算が出ましたが、伊勢崎でも昨年度の売り上げは、東日本地震で3月11日以後休場となった平成22年度をも下回る結果となりました。払戻率を5%引き下げたので6億円の増益になるはずが、単年度でかろうじて黒字になったという深刻な状況です。

今オートレース業界は各レース場とも今後の見通しが立っていません。飯塚オートは平成21年度から赤字が続き、一昨年度末で14億円の累積赤字を抱えています。3か所の場外車券場を開設しましたが売上げは改善していません。

山陽オートは包括運営委託をしていた日本トータが、黒字化の見通しが立たず再契約を断り、ようやく今年度は日本写真判定という写真判定を手掛けている会社が引き受けましたが、一年更新でいつ断られるかわからず来年度の保証はありません。

浜松オートは平成29年まで日本トータと包括運営委託が結んでありますが、事業の先が見えず、無駄な投資になるかも知れないと浜松市は予算化した施設の耐震改修を昨年度やめてしまいました。地元紙は「いずれ政治的判断が必要になるだろう」と書いています。

そんな中で先月船橋オートを来年度いっぱいで廃止するとの決定は、大きな衝撃を与えています。

各レース場が連携して車券を売り、オートレース事業実施の費用を出し合って成り立っているのに、一つ欠ければ他の5場にその負担が増え、売り上げは減ることになります。雪崩をうって事業廃止という事も起こりうる状況です。伊勢崎オートが累積赤字を解消できたと、安心できる事態でないことを見ていく必要があります。


伊勢崎オートレース車券発売の推移

年度      勝車投票券発売収入

平成21年度  168億3158万6830円

平成22年度  138億9054万5360円
(東日本大震災のため開催日数の減)

平成23年度  157億5646万3531円

平成24年度  145億8011万1860円
    (6月9日より払戻率75%→70%へ)

平成25年度  133億3539万7260円