オートレース事業は昨年6月から車券的中者への返還割合を、売り上げの75%からから70%に引き下げ、実質値上げし施行者(市)に入るお金を増やしました。
 
 これによって昨年度も黒字になりましたが、車券の発売額は依然として減り続け、目的である市財政への貢献(一般会計への繰り入れ)の目途は立っていません。

 このまま売り上げが減少し続ければ再度の赤字転落の危険もあります。

 増収策として今年4月から、レース場内のグリーンスタンド4階において、大井競馬をはじめとした関東の地方競馬馬券の場外発売場「オフト伊勢崎」を設置、オートレースの施設を所有している東京都競馬株式会社が運営し、伊勢崎市に売り上げの1%1千百万円ほどの交付金を予定しています。

 さらに費用の削減と収入増に結び付けたいと、現在使用していない5階グリーンスタンドを改修して4階と合わせて、来年4月から中央競馬の場外馬券発売を予定していると発表がありました。

 伊勢崎市として費用はかからず、東京都競馬から借りている、グリーンスタンドの施設借用料が要らなくなると同時に、売り上げの0・2%が所在地自治体に交付金として入り、歳入と歳出で恩典があるということです。

 グレードの高いレースは6千人のファンの来場が期待でき、高崎では年間80億円程度の売り上げがあると説明しています。
 
 武豊などの馬券が伊勢崎で買えるというのは、ファンに魅力かもしれませんが、庶民のギャンブルに使える金額は限られており、競馬入場者をオートレースの新規ファン獲得つなげると言っていますが、逆にオートレースから競馬に流れてしまう可能性もあります。

 場外馬券場の施設所在地の交付金は、「通行車の増加等による地域関係の負荷負担軽減」などに資すること」を目的に交付するそうで、権利者の東京都特別区競馬条例で地方競馬1%、中央競馬0.2%と決まっています。

 オートレースからの市財政への繰り入れがない現状では、迷惑料としての自治体への交付金が、一般会計に入り交通対策などの目的のために使われるのではなく、オートレース事業会計に入るのでは、赤字解消に使われてしまうことになり、きわめておかしな話です。

 一度こうした施設ができてしまうと、市財政への貢献という目的をはたしていないのに、青少年の健全育成や、公営ギャンブルの是非など慎重な議論なしに、新たな事業展開が進められてしまうのは怖いことす。は