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  養護老人ホームは「環境上の理由及び経済的理由により、居宅において養護を受けることが困難な高齢者の施設」です。現在伊勢崎市では社会福祉法人三友会を指定管理者に、定員60人の施設を管理運営委託しています。昭和53年に建てられた建物の老朽化により、建て替えが課題になっています。このほど「伊勢崎市養護老人ホームのあり方検討委員会」の審議を経て、今後のあり方についての答申が出されました。
 答申では、現在はサービス付高齢者住宅や有料老人ホームが高齢福祉の一翼を担い、貧困高齢者の受け入れ先として基盤を支えている。これからの養護老人ホームは、貧困高齢者の受け入れ先としてではなく、身体・精神・知的障害高齢者、社会生活に適応しない高齢者のセーフティネットの役割を図る施設として位置付ける必要があるとしています。
  しかし低い年金ではとても入れる施設でない、有料老人ホームや、サービス付高齢者住宅が、貧困高齢者の受け皿になっているとはおもえません。劣悪な管理で火災をおこし、たくさんの高齢者が亡くなった「たまゆら」の事件は昔の話ではありません。
これから団塊の世代が高齢者になって、行き場のない高齢者の増加が予想される中で、高齢者施設の充実が必要になるというのに、答申は「超長期的には人口減少社会突入するため、大規模な施設は整備すべきではない」と、30年も先を見越して、定員を現在の60人から50人へ縮小するよう答申しています。 
また経営効率を高めるため、介護保険適用の地域密着型小規模特養老人ホーム29床を併設し、複合的な施設とすること。施設の建設を民間で行い、運営も民間で行う民設民営にすべきと経営効率に重点を置いた答申です。
  今後の建て替えにあたって、この答申に沿って具体化されることとなります。措置が必要な高齢者の養護を、財政的にも運営上も、公的責任を回避していこうという、国や市当局の経費削減のねらいに沿った答申となっており、今後に不安が残ります。
 答申内容の詳細は伊勢崎市ホームページでご覧下さい。
 写真は市民病院西にある現在の養護老人ホーム。