おコメの値段が上がり続け、前年の2倍近くにもなっています。私は52年間コメ作りをしてきました。最後は田んぼ1枚だけ作付けし、刈り取り、乾燥、もみすり、耕うん、消毒など委託でしたのでコメ作りをしていたといえるかわかりませんが、田植え機が壊れ、年に半日しか使わない機械に、多額の投資をするわけにもいかずやむなく店じまいをしました。
昨年からお米を買うようになったら、その年から2倍近くにも跳ね上がるというのですから何とも皮肉な話です。昭和60年頃にはコメの政府買い入れ価格が60キロ18000円していたものが、民間流通になり下がり続け、数年前には1万円を割る年もありました。採算を度外視してやっている農家も、高齢化で次々とコメ作りをやめて近所でも残っている家はわずかになりました。
コメの高騰に輸出のチャンスと、米通商代表部の報告書は書いています。トランプ関税の標的として、コメなどの農産物輸入拡大、軍事費の拡大要求が突き付けられています。第一期トランプ政権時の日米交渉では、自動車関税25%で脅かし日米交渉に引きずり込まれ、牛肉関税38・5から9%に、豚肉もキロ当たり482円から50円に引き下げという譲歩に追い込まれながら、アメリカの自動車関税2・5%の撤廃は拒否されています。
トランプ政権のやり方は各国の批判と反発を招き、アメリカの落日は鮮明になっています。食糧安保を叫んでいた日本政府が、経済主権・食糧主権を主張し多くの国と協力してトランプに毅然とした態度をとれるか試されています。 (北島)
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