日本の社会保障は、人生において典型的と考えられる課題の解決を目指すため、子ども・障がい者・高齢者・生活困窮者といった対象者ごとの支援体制でしたが、縦割りでは新たなニーズへの対応が困難になっています。

例えば■複雑化・複合化したケース(8050、ヤングケアラー、育児と介護のダブルケア、家計破綻等)、■制度の狭間に落ちるケース(社会的孤立、ごみ屋敷、ひきこもり、外国籍で派遣切り 等)は、役所の各課の連携、地域の専門家との連携など横のつながりを生かした解決が必要です。

そんな中生まれたのが地域社会という概念に基づいて、市町村が包括的な支援体制を円滑に構築・実践できる仕組みをつくるため、2021年4月より実施されることになった「重層的支援体制整備事業」です。

 玉村町では昨年度から役所の高齢・子ども・障害・困窮の各分野で単独で解決が難しい事例は多機関共同事業支援会議につなぎ包括的支援を検討しています。

役所以外の機関の協力として司法書士会と生活困窮支援協定を結び法的手続ききのアドバイス、水道検診業者と見守り支援協定、町内事業者がちょこっと福祉相談、社会福祉法人が何でも福祉相談、NPОが食糧支援など、町と連携し困っている人を積極的に町が見つけ出し、専門機関につなげ、解決まで見守っていきます。

伊勢崎市は昨年度から総合相談窓口を設け、ここで各課につなぐ仕事をしており、相談件数は524件。内訳は生活困窮が294件、新型コロナ生活困窮者自立支援金に関する相談216件、その他14件です。このほか就労支援が委託で9人、家計改善支援も委託で1人、学習支援が職員2人体制で8人と、ほぼ生活困窮相談が中心です。困窮者が相談窓口で社協の貸付を紹介され、社協行くと、市の総合相談のチラシを渡されそちらに行くようにと、たらいまわしになった事例なども聞きます。県内ですでに6自治体で始めている重層的支援体制整備を伊勢崎市でも取り組むよう求めました。

答弁では複雑・複合化した問題に関係各課と社協、ハローワークで生活困窮者支援調整会議を開催しそれを軸に対応している。現在は分野ごとに相談支援を行っていますが、今後先進地の状況を踏まえ検討を重ねていきたいと答弁がありました。