
水道水からは地下水・県水とも放射性物質不検出が続いていますが、伊勢崎市内でも、環境放射線量の測定が始まりました。測定機器はいずれもPA-1000Radi(HORIBA製)。簡易測定器のため参考値です。単位はマイクロシーベルト毎時(μSv/h)です。シーベルト(Sv)は人体が放射線を受けたとき、その影響の度合いを表す単位です。
注)1000μSv/h(マイクロシーベルト/毎時)=1mSv/h(ミリシ-ベルト/毎時)
群馬県は福島県等に比べればはるかに低いのですが、平常時よりは高い値が続いています。年間の累積被ばく量を1mS以下にというICRP(国際放射線防護委員会)の目標値は大人についてのもので、子どもは更に低いことが望ましいといわれています。文部科学省は福島県の子どもについて、大人と同じ基準を示しています。また、食物・水・大気からの内部被ばくについては、捨象して計算しています。
そのような前提で、文部科学省が示した年間20mS以下に抑えたい場合の校庭などの基準値3.8μSv/hを年間1mS以下に抑えたい場合に置き換えれば、校庭などの基準値は0.19μSv/hとなり、伊勢崎市内ではこの基準値以下であると見ることもできます。しかし、内部被ばくをゼロと見る文部科学省の示す基準値が正しいとは言い切れません。なお、検証が必要であると考えます。また、校庭中央で測るだけでなく、側溝や砂場など雨水や埃が溜まり易い場所、公園などについても調べ、子どもたちが不要な危険を避けるよう注意する義務が、大人にはあると考えます。
なお、県や市が使っている測定器で測れるのはガンマ線だけです。放射性ヨウ素131やセシウム137等はガンマ線だけでなくベータ線も出します。ベータ線の影響は「外部被ばく」では少なく、「内部被ばく」で大きいといわれています。
(「公子のフレッシュ便」6月5日576号から)